不当利得(過払金)返還請求訴訟における裁判所の現在の傾向その2

その1を書いてからそのままにしてしまいました(笑)

 

数年前までは、裁判所も過払い債権者に有利な判決を

してくれていましたが、業者も体力がなくなってきたり

あまりに過払い金返還請求訴訟が多くなったこともあり、

実体を判断するのではなく、書類だけを見て判断を下す

ことが増えてきたようです。

 

某裁判所で時間があったときに傍聴していたことがあるの

ですが、その時などあまりにひどい裁判官の心証が示されて

いたので驚いたこともあったくらいです。

要約して言ってしまうと、「取引の間に1年以上の空白期間

があると基本契約が2つある」と判断してしまうのです。

 

これは、全く誤った判断であります。

基本契約が2つあるということは、実際に基本契約を貸主・

借主間で2つ締結していることが当然に必要です。

借主側としては、契約は1つしかないという主張をしていて、

最初に契約を締結したことに借主・貸主ともに争いはありま

せん。貸主側が、契約が2つに分かれていて前者の過払い金

が時効により消滅していると主張するならば、それは抗弁事実

なのですから、貸主側で主張・立証しなければならないはず

です。

 

とりあえず形だけ主張・立証はされるのですが、それが不十分で

あるときも、結構貸主側に有利な判断がなされることもこのところ

増えてきている気もします。

 

とにかく、今まで過払金返還請求訴訟においては借主側に有利な

判断が多くされてきましたが、だいぶ揺り戻しが起こってきている

と考えていいのではないでしょうか。