債務整理

債務整理についての当事務所の方針

 当事務所では、「債務整理」は整理を希望される方の「生活再建」に資するものでなければならない。と考えております。それには、「依頼者」の方との「信頼関係」が非常に重要となってきます。依頼者の生活再建がなされるように、当事務所は全力を尽くします。そこで、依頼者の方にも以下のことをお約束いただきたいと思います。「約束を守る」、「嘘はつかない」、「理由もなく指導に従わないことはしない」の以上3つをお約束いただきたいと思います。

 その代わり、疑問点や不安点があればどんどん仰ってください。一緒に解決を図っていきましょう。

 また、司法書士は弁護士とは違い、債権額、過払い金額や手続によっては「代理」行為を行えない場合もあります。その際には、「支援」を行います。「代理人」に全てを任せたいという場合には、「弁護士」をご紹介することもできますのでご安心ください。

 

以下、債務整理で行われる手法についてご説明いたします。

 

任意整理

 「任意整理」は、裁判所を利用しない債務整理のことです。「任意整理」の基本は、クレジット・消費者金融業者の主張する「残債権」を利息制限法引き直し計算によって、利息制限法に照らし正当な債権額まで減縮した額を「分割払い」とする和解案を作成して、各業者と交渉して個別に承諾を取っていくというものです。

 先人の努力により、多くの業者は「分割払い」に応じますが、中には「分割払い」に一切応じない業者もいますので、この場合は「任意整理」が不調に終わることがあることをご認識ください。


特定調停

 「特定調停」は、支払不能に陥るおそれのある方(債務者等)の経済的再生を図ることができるように、「民事調停法」の特則として定められています。「債務者等」と消費者金融業者等との間で、裁判所関与の下、借金の支払方法を改めて決めることによって、返済可能な方法を提案することにより、「債務者等」が経済的に立ち直ることができるために作られた制度です。

 ただし、この制度も多くの業者は応じますが、中には一切応じない業者もありますので、必ず調停が成立するとは言い切れませんので、ご理解ください。また、この制度は業者側に「債務名義」を与えることにもなりますので、注意が必要です。


破産

 原則的に、破産手続は、地方裁判所関与の下、「債務者」が支払不能になったときに、「債務者が」所有している財産をお金に換えて、債権者に支払い、支払いきれない部分に関しては、「税金債権等」一部の例外を除いて支払わなくてもよくなる手続となります。

 ただし、本来支払わなければならないものを支払わなくても済むことになるのですから、「厳しい要件」がいくつか存在していますので、気軽にできるという類の手続ではありません。

 破産は、「管財事件」「同時廃止事件」があり、「管財事件」は「破産管財人」(弁護士)が裁判所から選任され、破産者の所有している財産をお金に換えて、債権者に支払う手続を行います。「同時廃止事件」は、債務者にお金に換えられるような財産が存在しないときに、債務者の財産をお金に換え、債権者に支払う手続を行わずに、「破産手続開始決定」と同時に手続を終了させるものとなります。

 司法書士は、「破産」に関しては、「書類作成援助」を行えるだけであり、全てをその方に代わってできる「代理人」にはなれません。「代理人」になれるのは「弁護士」だけとなっています。東京地方裁判所管轄では、「少額管財事件」制度というものがあります。例え、前述の「管財事件」になったとしても、財産があってもある要件に該当するものであれば、手続や費用を簡略化させて行える手続なのですが、これも「弁護士」が代理人になっていないと受付けてもらえないことになっています。

 場合によっては、「司法書士」が関与するよりも「弁護士」が関与する方が費用も手間もかからないことがありますので、ご承知おきください。

 

個人再生

 この制度は、裁判所関与の下、債務を減免(100万円未満に減免することはできない)し、減免後の債務を原則3年以内(例外最長5年)の間で分割払いすることができる、債務整理手続です。個人再生手続においては、裁判所が選任する個人再生委員が選任されることがあります。東京地方裁判所管轄においては、必ず選任されることになっており、選任される人は弁護士に限定されています。地方においては、手続の複雑さや困難さによって選任されるときもあれば、選任されないこともあります。

 個人再生には、「小規模個人再生」「給与所得者等再生」の2種類があります。

小規模個人再生は、給与所得者(サラリーマン等)も利用することができ、一定の安定的な収入があれば、個人事業主であっても選択することができます。給与所得者等再生は給与所得者(サラリーマン等)しか利用することができません。

 これらの手続を利用できる債務者の要件は、①個人であること②将来において継続的にまたは反復して収入を得る見込みがあること③再生債権額の総額が5000万円を超えないこと④支払不能のおそれまたは円滑に事業上の支払ができないことの4つになります。

 また、破産制度と異なり、この制度の特色として「住宅ローン特則」を使うことによって、他の債務は圧縮して支払ながらも、住宅ローンを支払い続けることにより、住宅を失わずに済むという方法をとることもできます。

 ただし、希望としては住宅を失いたくないということもあるでしょうが、一度全てを精算してしまった方が、ご本人のためであるというときには「破産」を選択するべき場合もあることには注意が必要です。

 個人再生手続も「地方裁判所」に申立てる手続ですので、司法書士は「代理人」となることはできません。「書類作成支援」という形で、ご支援をさせていただくことになります。「代理人」関与をご希望の方には、弁護士を紹介させていただくこともできます。

 

 

過払い金返還交渉・訴訟

 先人の不断の努力により、消費者金融業者等に対し、専門家が介入し、利息制限法上の利息で「引き直し計算」を行ったことにより、「過払い金」が発生していた場合は「過払い金返還請求」をすることができます。

 業者に対し、任意的に返還交渉を行う事もできますが、現状任意交渉では十分に過払い金を回収することが非常に困難になってきております。今後は、積極的に訴訟提起して返還を図らなければならなくなるでしょう。

 また、業者によっては返還資力がないので、わずかばかりの金額を返すので、和解をして欲しいという業者も増えています。訴訟で敗訴しておきながら、支払を行わない業者も増えつつあります。ただし、業者も経営状態が悪化しておりますので、早急な過払い金の回収を図る必要があるようです。

 これらの方針については、随時依頼者の方と相談をさせていただきながら進めていきます。

 司法書士は、訴額が140万円を超える事件の代理行為はできませんので、代理人となり「交渉」「訴訟」を行えるのは、過払い金返還額が140万円までのものとなっております。この場合、「書類作成支援」という形で支援をさせていただきます。また、「代理人」関与をご希望の方には、弁護士を紹介させていただきます。